こんにちは。
キキ・コンサルティング、代表取締役の石田由紀子です。
「サイバー攻撃」と聞くと、ウイルスやフィッシング詐欺、データ改ざんなどを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし近年では、攻撃者の狙いが「ID(アイデンティティ)」そのものに移ってきているのをご存じでしょうか?
AIGとSilverfortの調査レポートによると、83%以上の組織で「資格情報の侵害」が関係する情報漏洩が発生しているそうです。
なぜIDが狙われるのか?
多くの組織が導入している「MFA(多要素認証)」は、1つのID・パスワードだけでログインさせない仕組みとして広まりました。
しかし、以下のような"盲点"が残っているケースも少なくありません。
・管理者や特権ユーザーへのMFA適用が不完全
・オンプレミス環境ではMFAが機能しにくい
・SMSや電話を利用したMFAがバイパスされてしまう
・サービスアカウントに過剰な権限を付与している
こうした「すき間」を突いて、攻撃者は内部ネットワークに侵入し、ランサムウェアの展開や情報窃取を行っているのです。
実際に起きたインシデントの一例
ある企業では、社員の認証情報が流出。
このアカウントではMFAが未設定だったため、攻撃者はそのままVPNに侵入。
内部のバックアップや仮想環境までも暗号化・使用不能にしてしまいました。
MFA強化のための5つのポイント
- 環境全体のリスクを分析する
オンプレミス/クラウドの両方で、アクセス経路や設定ミスを洗い出しましょう。
- 保護対象のユーザーを明確にする
管理者だけでなく、特権アクセスがあるユーザー、サービスアカウントも対象に。
- 中途半端なMFA導入は意味がない
すべてのアクセス経路・認証プロトコルに対して、徹底的に適用することが重要です。
- フィッシング耐性のあるMFAに切り替える
SMSや電話ではなく、生体認証や専用アプリなど安全性の高い手段へ。
- 全社での理解とルール徹底を図る
ポリシーをつくり、ユーザーにも明確に共有しましょう。
サイバー攻撃のリスクマネジメント
攻撃者が狙っているのは「弱い場所」。
どれだけ対策を講じても、一部が穴だらけでは意味がありません。
身近な"ログイン"が、実は大きなリスクになる今。
改めて、IDとアクセス管理の見直しをおすすめします。
会社の「存続」と「発展」に心をつくし
みんなの笑顔と幸せを作り続けます。
キキ・コンサルティング
代表取締役 石田由紀子