こんにちは、キキ・コンサルティング代表の石田です。
だんだんと暖かくなって参りましたね。
本日は、最近よく話題になることの多い「過労死」「過労自殺」について、です。
■ 自殺は会社のせい?
うつ病で最悪の場合、自殺...ということになりかねませんが、当然のことながら即時、会社に賠償責任がある訳ではありません。
通常、自殺は労働者の故意とされるために、労災認定されません。
しかしながら、過労→うつ病→自殺について相当因果関係が認められた場合、労災認定されて遺族給付が支給されます。
また、労災認定がされた場合、企業責任を問われて賠償責任を請求される可能性があります。
■ なぜ労災認定だけではなく、企業側が賠償請求されるのか?
端的に言えば、「労災だけでは不十分」だからです。
一番大きい点は、「精神的損害=慰謝料」です。
この慰謝料の相場は、裁判例では概ね2,500万円~3,000万円が認められています。
これだけの額になるので金銭的な補償を要求したい
残された遺族として精神的苦痛を受けたことを社会に知らせるため
企業側の責任を法的に問うため
複合的理由が考えられます。
いずれにしても、過労死・過労自殺が疑われる場合、企業側に責任追及が行われるケースは多いです。
■ 企業側に賠償責任が発生する場合とは?
簡単に言えば、次の3点で賠償責任を問われるケースが挙げられます。
①企業側に明らかに過失のある場合
セクハラやパワハラ、明らかに過重労働をさせていた時がこの場合に相当します。
②企業側が企業責任として、すべきことをしていなかった場合
企業側には、従業員に安全に働いてもらうために、就業規則を設けたり、健康診断を行ったりと、従業員の安全に配慮しなければなりません。これが「安全配慮義務」です。
この「安全配慮義務」を怠っていた場合、安全衛生管理体制を整えていなかった場合が相当します。
③使用者賠償責任を問われる場合
使用者=経営者が直接、従業員に対してハラスメント行為をしていない場合でも、従業員の上司がハラスメント行為を行っていた場合は、企業側の「使用者責任」となります。
■ どうしたら、リスクを軽減できるのか?
①労働安全衛生管理体制の整備をすること
何より、こちらが重要です。
たとえば、健康診断の適正な実施と適切な指導、残業時間の適正な把握が必要です。
②労働災害総合保険(労災上乗せ)への加入、および使用者賠償責任保険への加入
労災で足りない部分の補償と、実際に訴訟となった場合のリスクマネジメントとなります。
③団体保険などによる弔慰金の充実、および災害補償規程の整備と適切な示談交渉ができること
生命保険などを活用し、弔慰金を用意しておくこと。
それに、適切な災害補償規定の整備を行うことと。
また、弁護士などによる適切な示談交渉ができる環境を整えておくことを、おすすめします。
■ ご相談はどうぞお気軽にご連絡ください
従業員の方が「うつ」でお休みされている、ストレスでメンタルヘルス問題を抱えている
ということで悩まれている経営者さんは、想像以上に多いようです。
弊社では、保険によるリスクマネジメントはもちろんのこと、提携先の弁護士・司法書士・社会保険労務士をご紹介することが可能です。
私自身も、いち経営者として経営判断を行う上で、悩んでいる時間は本当にもったいないと感じます。
より経営者の皆さまが、本業に専念できるよう、弊社では精一杯のサポートをさせていただきたいと存じます。
どうぞ、お気軽にご連絡ください。
キキ・コンサルティング
代表 石田 由紀子