こんにちは、キキ・コンサルティング代表の石田です。
本日は、以前に反響のありました株主代表訴訟の話題です。
先日、ある中小企業の経営者さんとお話をしている際に
タイトルのように「うちは中小企業だから、株主代表訴訟なんて関係ないよ・・・」
とおっしゃられていました。
本日は、訴訟件数が増加傾向にある、株主代表訴訟の現状について情報提供をさせていただきます。
■ 実は多い、中小企業での株主代表訴訟!?
株主代表訴訟は、大企業で発生した事件がマスコミ報道されることが多いため、大企業特有の訴訟だと一般的に考えられていました。
しかし、実際の数値では、株主代表訴訟の80%以上が中小企業で起こっています。
ですので、「関係ない」と考えられている経営者の皆さまは、要注意です。
次に、事例をご紹介したいと思います。
■ まさか元社員から訴えられるとは・・・
食品メーカーである株式会社X社では、食中毒を度々発生させてしまって信用が失墜し売上が低下。
代表取締役のYさんは、苦渋の経営判断で製造部門の従業員を一部解雇せざるを得なくなりました。
解雇された従業員は、代表取締役Yさんが事故の再発防止のための社内体制を整える義務に違反したとして損害賠償を求める訴訟を起こし
結果、約5,500万円の損害賠償責任が認められました。
■ 中小企業で訴訟が多くなっている要因
・中小企業では、通常の取締役会や株主総会が適当に済まされていること
・法令遵守を行うための現代的なシステム構築することが求められるものの、経営体力がないこと
・裁判所への申立手数料が1万3,000円と低額であり、訴訟が提起しやすくなっていること
・前回の投稿の通り、親族経営であり心理的なわだかまりや利害関係の対立によって訴訟が起きやすいこと
などが考えられます。
■ 対策方法はリスク回避か転嫁
リスクは回避するのが一番です。
通常の経営においてコンプライアンスを社内徹底し、内部統制をしっかりと行い、経営判断の適正さを維持し続ける・・・
それでも、取締役が会社に損害を与えてしまうことを100%回避することは不可能です。
次に考えられるのは、リスク転嫁(別の方法で補償する)です。
その場合、『会社役員賠償責任保険(D&O保険)』が有効になって来ます。
契約内容自体や特約の有無によってカバーされる損害の範囲が異なってきますし
補償の対象外となる賠償責任もあります。
熟慮のうえで採用のご判断をいただければ、と存じます。
役員賠償責任保険(D&O保険)についてご不明点がございましたら、お気軽にご連絡くださいませ。
キキ・コンサルティング
代表 石田 由紀子